イトーのブログ

ここはゲーム、まんが、映画の備忘録帳でござい 自分用なので文章が自由

東京から岐阜をめざして自転車で走ったお話

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 こんにちは、イトーです。


 私は子供の頃からひそかに抱いている信念がありまして、

  • 男子たるもの、いつかは旅に出ねばならない
  • 身一つで
  • 無頼に

 というわけで、夏季休暇を使って岐阜へ行きました。
 自転車で。

 いや、出発前にネットで「自転車旅行 準備」とかで検索したんですが「日本一周にはテントが役立つよ!」みたいな情報しかなくて困ったんですよね。なんで旅行=日本一周なんだよお前らは。(世の自転車乗りへの偏見)

「右も左も分からないニューピーが自転車旅行するにはどうすればいいの?」という情報が案外見つからなかったので、本稿ではそういった情報を自分向けの備忘録も兼ねて、書き残します。

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ルームシェア体験記です

 こんにちは、イトーです。


 何を隠そうこのイトー、ルームシェアをしています。 

 だいたいもう2年以上は同じ奴とルームシェアをしてるでしょうか。正直自分としては人生の汚点というか、あんまり公言したくないことなのですが、まあこれはこれで貴重な経験であろうし、一旦ログを残そうと思い筆を執りました。

 もし事情があってルームシェアを検討してる人がいたら、読んでみてください。参考になるとうれしいです。

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Surface Pro 4 を買いました

 こんにちは、イトーです。
 原稿執筆前の手慣らしです。

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Surface Pro 4 を買いました

 なぜか?

 以前まで使っていたSurface Pro 3 が壊れたからです。
 突然の死でした。いつものようにブラウジングしていたら、急に暗転する画面。静まるファン。冷える臓腑。
 その瞬間の、私の内心を想像していただきたい。
「おーい、どうした……?」と様子を伺った直後に事態の深刻さを察して、電源ボタンを乱打する私。

「逝くなー! 帰ってこーーーーい!!!!」

 Surface。私のSurface Pro 3。ウソだ、どうしてこんなことに。
 今までともに過ごしてきた2年間の思い出が嵐のように脳裏を過ぎ去っていきます。
 初回起動時の「こんにちは」の画面。初めて買ったときはまだWindows 8.1だったね。
 Microsoft Wordが処理落ちしないことに驚いたっけ。
 嵐の中、君を運んで落としてしまったときに画面を割ったことは今でも夢に見る。君が新品同様で返ってきたとき誓ったんだ。今度こそ大事にするって。

 ああ、それなのに! どうして!

 

 畳にSurfaceを敷いて電源ボタンを何度も押す私は、さながら砂浜に倒れる恋人を心臓マッサージするかのようでした。(傍で見ていた同居人談)

 その後のことはあまり覚えてないんですが、同居人(男です)が語るにはしきりに「何もしてないのに! 何もしてないのに!!」と叫びながらジタバタしていたそうです。あとなぜか冷蔵庫からSurface Pro 3 が出てきました。よく冷えてました。熱暴走へのカウンター的な……?

 そんなこんなでSurface Pro 4、占めて13万円也。

 

 全く予想だにしなかった出費にもうほんとグンニャリです。スペックも大して差がないし、変わったところといえば排熱効率くらいじゃないでしょうか。
 しかしこのままだと、私はただ不注意から新たに10万円をドブに捨てた悲しい道化みたいなので、後付けでもどうにかSurface Pro 4 を買ってよかった!!!!」と思えるような理由を挙げていきたいと思います。

 私はまだ負けていない。

 

Surface Pro 4 のここがいい!

初めに断っておくと、Pro 4 ならではの良いところはあんまり思いつきませんでした。そもそも発売してからもう1年経つし、今更差分点の記事を挙げても需要がない。

 ただWindows Hello」と名の付いた顔認証ログインシステムには非常に感動しました。
 何といっても、電源を点けた後はフリーハンドでデスクトップまで行けるのが気持ちいい。顔認証自体もすごくスムーズで、顔位置の調整も必要なくログインしてくれる精度です。『ラブプラス+』を数年ぶりに立ち上げたら顔認証の際に『あっ、イトー!……のお父さんですか?とのたまった凛子とは比較になりません。顔が似ている人間を近親者として判別するそうです。私は傷ついたよね。

 あとは先述した通り、排熱効率が段違いによくなりました。

 Surface Pro 3 はとにかくCPU付近に熱が集まりやすくて、うっかり動画エンコードでもすれば目玉焼きが焼けそうな温度になりました。しかもファンがうるさい。

 それに比べるとSurface Pro 4 は今のところ熱はほとんど溜まらず、ファンもそよ風程度です。店員さん曰く「ファンのパイプは縦横無尽に内部を走っているおかげで、効率よく冷ませるようになったんです!」とのこと。つまりサメにおける奇網みたいなものですね。

 これは本当にありがたいことで、映画に例えるならSurface Pro 3 のファンは『マッドマックス 怒りのデスロード』なんですけど、Surface Pro 4 は『いつかティファニーで朝食をくらいの優雅さ。

 Surface Pro 3 はよく熱暴走で落ちてましたけど、Pro 4 はこのことで結果的にPro 3 より長い寿命を獲得したんじゃないでしょうか。つまりPro 4 に買い替えて正解。大勝利。

▼おわりに

 Surface には購入してから45日までしか入れない保険(1万円)があるんですが、忘れないうちに入っておこうと思います。

 Pro 3 の時は1万円を惜しんで5万円の修理費を払うことになったので、今度こそ。まあ結局そのあとまた壊れたんですけど。

流しソーメンBARのお話です

 こんにちは、イトーです。

 

 先日、池袋の「流しソーメンBAR」に行ってきました。

 読んで字のごとく流しソーメンが食べられるバーです。涼しげ。
 店内には竹製のレールが縦横無尽に引かれていまして、その中を水流とソーメンが流れるという作りです。

 お値段は1時間で1500円制。
 めんつゆの入ったお椀片手に店内をうろつきながら、好きな時に好きなところからソーメンをつまんで食するというシステムが楽しげです。ところどころにある小椀にある薬味も自由に使っていいそうです。

 店内を見渡すと、茶屋のような長椅子がいくつか置かれているのに気づきました。ここで脚を休ませていってほしいという店主の気遣いでしょう。
 椅子や、点々と配置された小卓は木製で、裸木ながらしっかりした造りだと思ったら、同行した友人(ルームシェア中の男です。元陸上自衛隊員)いわく、ヒノキ製とのことでした。……この男はときどき妙な造詣を発揮します。

 和風で統一された域な店内を見渡しながらソーメンをすすっていたら、友人がぼそりとこんなことを呟きました。

 

「この流しソーメンの水は、店内を循環してるってことなのかね」
「……まあ、そうなんじゃない。常に新しい水を出し続けてたら水道代すごそうだし」


 ちなみに水とソーメンのスタート地点は複数設置されていて、もし誰かが排出されるソーメンを上流で全て独占したとしても、別の源流から本流へと適宜ソーメンが合流し、分け隔てなく行き渡る仕組みになっています。

 友人は流れゆくソーメンを眠そうな目で眺めながら、

 

「店内には俺たちを含めて8人の客がいるじゃん。で、みんなそれぞれ同じ箸をずっと使い続けているわけだけど」


 やめなよ。
 ちょうど箸で掴んだソーメンを戻すわけにもいかず、私は複雑な胸中でお椀に麺を入れました。
 すこし薄くなっためんつゆに浸ったソーメンを眺めながら、それを口に運ぶべきか迷っていると、不意にスピーカーからししおどしの音が響きました。次いで若い男のアナウンス。

『ご来店中のお客様にお知らせします。水の定期入れ換えを行ないます。作業は10分ほどで終了いたしますので、ご迷惑をおかけしますがしばしお待ちください。ご協力のほどよろしくお願いいたします。繰り返します……』

「ありゃー」

 

 唸る友人。この男の感情の機微は昔からいまいち掴みづらいのですが、おそらくは感嘆のため息でしょう。

 そのまま竹製のレーンを眺めていると、次第に上流からの水(とソーメン)が減っていき、やがて完全に途絶えました。それから更に五分も待つと再び透明な水が流れ始め、元の水量へと戻った後、遅れて充分にほぐれたソーメンが流れてきました。

 おあずけを喰らっていた客の面々が箸を掲げ、沸き立ちます。

「水だ! 新鮮な水だ!」
「ソーメンもあるぞ!」
「茗荷! 葱!! 山葵!!!」

 あくまで紳士的に竹のレーンへ群がると、皆が皆つるつるとソーメンを食し始めます。濃いめんつゆに浸し、首を持ち上げながら生き生きとソーメンを啜る様はさながら鵜のようです。

 私たちもこうしてはいられません。私は友人と目で示し合わせると、穏やかな足取りで流しソーメンへと向かいました。

 蛍光灯の明かりを受けてきらきらと輝く清流を、白磁のように艶やかなソーメンが滑らかに流れていきます。
 その一筋一筋を掴もうと、漆塗りの箸が次々と伸ばされます。
 目の前の涼やかな光景はまるで、真夏の冷たい石清水を泳ぐ岩魚を追うかのようでした。

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というBARをルームシェアの友人に提案したところ、「冬も営業してんのそれ」と訊かれました。
 ……しゃぶしゃぶとかすりゃいいじゃん。流ししゃぶしゃぶ。

ぼくは大人になったら漫画家になってると思います

 こんにちは、イトーです。

 

 この間、子供のころの自分に会いました。

 より具体的に言うと、久々に実家に帰ったら小学校の文集が発掘されたことを、ちょっとポエティックに表現してみました。

 書き出しはこうです。「ぼくは、大人になったら漫画家になってると思います」

 なってません。というか絵も描けない。何かすまんな。

 読み進めていくうち、次第に当時の記憶がふつふつと泡のように脳の奥から沸き上がりました。やがてそれらが寄り集まって精細さを増していくのが分かります。
 使われていなかった灰色の脳細胞が活性化し、2色から16色へ、256色から更に色味を取り戻していくかのよう。

 気付けば、まるで目の前に小学生の頃の私がいるかのような臨場感で、私はその文集を読み進めていました。

 心の中のイトー少年の第一声はこうでした。少年らしく張りが合って甲高い、弾むような声でした。

「いまのぼくはどんな漫画を描いてるの?」

 描いてません。そもそも漫画家になっていません。すまんな。

 イトー少年は私の返答にたいそうショックを受けているようでしたが、私の方が傷ついています。オトナの古傷をわざわざ言葉でなぞり直すことに何か意味があるのか?

 しかし少年期の私、よく見ると意外と美少年です。この頃から長めの髪は漆を塗ったように艶やかで、前髪に隠れた目は利発そうな輝きを秘めています。

 相手が私でなければ「きっと将来は大成するだろう」と小さな頭を撫でてあげたところです。実際はまだ大成していないので。

「どうして漫画家になれなかったの?」

 ストレートに訊いてくる子供です。その質問が10年後に返ってくると理解しているのでしょうか。私はぶっきらぼうに返答します。

「そりゃあ、今のお前が絵を練習してないからだよ。俺のせいだけにしないでよ」
「ええ……でも、なんかそういうのは、こう、いつの間にかうまくなってるものだと思ってた」

 すごくわかる。同時に、私が漫画家になれなかった理由も。

「じゃあ結婚はした?」
「したい」
「大人って20才くらいになったら皆 結婚するものじゃないの?」
「俺もそう思ってたんだけどなあ……」
「そんなぁ……」

 

 イトー少年が意気消沈すると同時に不思議な瞬間が私を襲いました。
 不意に前触れなく、ドクン、と心臓が大きく跳ねたのです。

 それから間もなくすうっと、反動のように身体が軽くなる感覚。
 いえ、それとも現実感が希薄になるといったほうが近いかもしれません。


「そういえば、今は何のお仕事をしてるの?」

 身体の変調に戸惑いつつも「会社員」と答えかけた瞬間、私は恐ろしいことに気づきました。

 僅かではありますが、私の身体が透けてきているのです。

    同時に私は理解します。
 そう、夢に満ち溢れたこの頃の私が、今の私のような現実を受け止めきれるはずは到底ありません。結果として「未来」の私の存在可能性が薄れてしまっているのです。

 最悪の場合、若さゆえに勢いでイトー少年が命を絶ってしまうかもしれません。

 しばし悩んだ後、私は「そうだ!」と腿を手で叩きます。

「将来の君は、ゲームクリエイターになっているよ!」

 

    それは私が少年の自分に誇れる、数少ない誇りの一つです。淀み始めていたイトー少年の瞳に、再び輝きが灯るのが分かりました。


「すごいすごい! ゲームクリエイターってどんなことをするの? キャラの絵を描いたりするの?」
「いや、だから絵は描けないんだって」
「じゃあプログラムをするの?」
「プログラムも打てない」
「……じゃあ何をやってるの?」
「それ以外の全部というか……」プランナーは基本雑用というか。

 また私の透明度が上がってきたので、「わー!」と叫んでその場をごまかします。不透明度50くらい。イトー少年が狂人を見る顔つきで身をすくめたのにややショックを受けますが、相手も自分だと思えばそこまで気にはなりません。

「……他に何かないの? 例えば、最近読んだ漫画とか」と少年。
「『寄生獣』読み直してる」
「それ、ぼくが今読んでる漫画……」

 名作はいつ読んでもいいものです。イトーレイヤーのアルファ値がまた上昇。私は気を取り直し、

「あ、そうだ。そういえば『寄生獣』は2014年くらいにアニメ化したよ」
「え? アニメなんて観てるの? 大人なのに?」
 
 またイトー少年の未来期待値が下がる音が聞こえました。もはや私を挟んで、10m先の八百屋の看板の文字が読めるほどに存在感が希薄です。金のオーブをこっそり偽物とすり替えてこの場を去ってしまいたい。

    後がありません。このままイトー少年に世を儚まれるわけにはいきません。しかし生き汚く、退屈な大人になってしまった私が彼に希望を見出させることが果たして可能なのでしょうか?

 少年期の私が何を願い、何を切に祈っていたか?
 記憶を10年以上前まで遡り、そして私は気付きました。私が目の前の彼の延長であること。そして、私の骨子たる部分は10年経っても何も変わるところがないことを。

「……ひと月に」ぼそぼそと私はイトー少年に呟きます。「お前、ひと月にいくら小遣いをもらってる?」
「え? ご、500円……」

 鼻にツンとくる刺激がありました。その痛みはじわりと目まで染み通り、私は涙を零します。500円。懐かしい単位でした。この時から本とゲームが好きだった少年は、いったい500円で何ができたでしょうか。かけがえのない少年期の数年は、たったそれだけの理由で無為に過ぎていったのです。

「……20万」
「えっ?」
「今の俺の月給だ」

 みなし残業込みだがな、とうそぶき、私は踵を返します。元の時代に戻るために。ここにはもう留まる理由がないと示すように。

 この時代との縁が薄れていっているのでしょう。遠ざかる過去の気配に紛れて、イトー少年の声が私の背を追いました。それが何という台詞だったかは分かりませんが。

 ただ、今こうして私がAmazonでゲームと本を買いあさっているということは、そういうことなのでしょう。未来は守られたのです。希望という輝きによって。

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月給の額はてきとうです。(念のため)

悠久なる秘境の伝説です

 こんにちは、イトーです。

 弊社だと、有給休暇は取得から2年ほど経過すると消滅します。
 期限を迎え蒸発した有休は、その後天へと上り、妖精たちによって集められます。長い時間をかけて集められた有休は少しずつ形を取り戻し、妖精たちの楽園・アーヴルヘイムに辿り着くのです。
 常人では見つけることすら叶わぬそこは、まさしく異界の妖精境。しかしひとたびそこに辿り着くことができれば、消化しきれないほどの有休を手に入れ、一生遊び続けることができるのだとか。

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 寝る前に適当な文章を書いておこうと適当にタイピングしていたら、予想以上に意味のわからないものになりました。
 おやすみなさい。