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イトーのブログ

ここはゲーム、まんが、映画の備忘録帳でござい 自分用なので文章が自由

ゲーム業界志望の学生さんへのアドバイス ~一次面接編~

 こんにちは、イトーです。

 就職活動の季節になりましたね。
 弊社、一応ゲーム会社ですので、ゲーム会社志望の学生さんがたくさんいらしてくださいます。ありがたいことです。
 私は弊社の中では底辺を這いつくばるゴミ虫のようなプランナーではありますが、人が足りないこともあって、それなりに面接官として招聘されることも少なくありません。(もちろん私以外に、ベテランのプランナーも同席しますのでご安心ください!)

 面接をしていてとみに思うのは、「もったいないなあ」という一言です。
 きっと私のようなゴミカスプランナーとは比較にならないほどのポテンシャルが皆さま新卒様にはあるはずなのに、それが正当に評価されることなく、一次面接で消えていく。その光景に幾度となく歯噛みしてきました。
 本稿では、ゲーム会社のプランナーを志望する皆様方に対し、どのように立ち居振るまえば一次面接を突破できるか説いてみようかと思います。
 なお酔っ払いながら書いてますので、参考にするのはそこそこにしておいてください。

ゲームへの情熱

 まあ、ゲーム会社ですので。
「情熱」と言うと急に宗教的なアトモスフィアを感じますが、これで馬鹿にできない概念です。
 会社にも依るでしょうが、一時面接レベルでしたら面接官のほとんどはゲーマーです。ゲーマーが重視することと言えば、「こいつはゲーム好きなのか?」ということでしょう。
 もちろんゲーム好きでなくともそれを補う能力(何かプロジェクトを成功させたとか、英語がペラペラだとか)があれば評価されるでしょうけど、結局最終的な評価基準は「この人と一緒に仕事をしたいか」という一点。
 ゲーマーが好きなのはゲーマーです。よって、ゲーム好きな自分を演出するに越したことはありません。

 ここに至っては「ポケモン」「ドラクエ」といった超メジャーゲームは評価対象となりづらいので注意してください。もちろん「ポケモン世界大会出場」とか「5V以下はクソ」みたいなやり込みっぷりがアピールされていれば別ですが。
 なおイトーはたまたま遊んでいた「Gears of War」「レジスタンス」あたりが評価されて、面接を通ったようでした。GoWはともかく、レジスタンスは評価対象としてはどうなのだろう。いや、私は好きなんですけど。

コミュニケーション能力

 評価基準に挙げられる割に、実態がよく分からない代表の要素です。
 プランナーは他の職種(プログラマ、デザイナー)と折衝することが大変多い職種です。プランナーというのはプログラムもデザインもできない代わりに、全体のゲーム設計を行なって、その実現を各職種にお願いする立場ですからね。そこに対人折衝能力が必要になることは、言うまでもないでしょう。

 さて、では面接で「コミュニケーション能力」を評価されるにはどう振る舞うべきなのか?

 リラックスしてください。
 非常にベタなアドバイスですが、真理なのだから仕方ありません。緊張を解き、笑顔とほがらかな雰囲気と共に、気さくかつテキトーにお話してください。まるで友人に対して対話するように。そうして柔らかい雰囲気を演出するだけで、面接官はあなたを「コミュニケーション能力がある人材」として評価します。
 逆によろしくないのは、緊張しすぎて判を押したような返答しかできない人材や、訥々としか喋れない人間です。リラックスする手法についてのアドバイスはできませんが、とにかくテキトーでいいので滔々と喋るよう努めてください。

 

エンタメ嗜好

 ゲーム開発者というものは、ゲームにのみ詳しくあればよいものではありません。あらゆるエンタメに通じ、そこから有益なインプットを行い、開発するゲームにフィードバックできる素養が必要なのです。何かすごいマジメなこと言ってますね私。
 さて、教養としてのエンタメとして重視されるものは次の通りです。
「映画」「アニメ」「漫画」「小説」。
 どんなものを好いていればいいかは、もう完全にご志望の会社に依ると言えます。たとえば日本一ソフトウェアさんやコンパイルハートさんであればアニメ的素養が重視されるでしょうし、海外向けタイトルを出しているメーカーさんであれば洋画の鑑賞履歴を問われるでしょう。

 ちなみに私は就活当時、何故かゾンビ映画をひたすら見ておりまして、面接ではロメロの「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」をひたすらこき下ろし、「ショーン・オブ・ザ・デッド」をベタ褒めしたら受かってました。多分社長がゾンビ好きだっただけだと思います。今頃採用したことを後悔しているのではないでしょうか。
 どうでもいいですが、「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」は実に……こう、何というか……怪作でしたね!
 ゾンビアポカリプスに覆われたアメリカで、ビデオカメラが趣味の主人公がひたすら終末の日々をカメラに収めるという内容なのですが、仲間がゾンビに襲われてもカメラを回し続けるその一貫性。「カメラはいいから助けて!」と怒鳴られるシーンがありますが、本当にもっともだと思います。
 ゾンビものでいうと、他には「ゾンビランド」が好きです。遊園地に逃げ込んだ先で観覧車に跳ね飛ばされるゾンビ共や、迫りくるゾンビの波をマグナム二丁拳銃で一掃するオッサンには私の中の6歳児が大興奮。

 話が逸れました。

 

開発経験はあった方がいい

 当然ですね。
 RPGツクールをはじめ、Unity、Cocos2D、UE4、Cry Engine、エトセトラエトセトラ……。
 アマチュアでも触れるゲームエンジンが世に溢れたこのご時世、そのうちどれかに触れていたことがあるかないかでは、雲泥の差が存在します。
 本当に少しでいいので触っておけば、他の新卒との差別化が図れます。
 仮に掘り下げられることがあったとしても、せいぜい「何を作ったか」「どんなところに苦労したか」という程度。
 そこに対する回答さえ用意しておけば、ホントに小指の先で掠めたレベルでも気づかれることはありません。多分。

 ちなみに当時の私はUnityを触っていました。適当な板の上で球体を転がし、球体が落ちたらゲームオーバーという単純なゲームです。深みを出すためスペースキーで球体がジャンプできるようにしたものの、一段ジャンプした後に再ジャンプを禁止する方法が分からず、無限にジャンプできるという苦行に等しいゲームと化しました。プレイヤーの体力かスペースキーの耐久が摩滅した時が真のゲームオーバーです。

 

そして具体例

 色々まくしたててはみましたが、果たしてそれら上記の条件を満たした面接はどういう形式になるのでしょうか? 具体例を私の完璧なる脳内でシミュレーションしてみました。


「どうぞおかけください。ああ、リラックスして頂いて結構です」
「そうですか? ありがとうございます、実はけっこう緊張してたんですよー」
「さっそくお尋ねするのですが、まあ、弊社ゲーム会社でして。ゲームについてお伺いしようかと思うのですが、特にお好きなジャンルといえば何になりますでしょうか?」
「うーん、アクションやシューターですね。RPGやADVもしますが……ゲーム性が高いタイトルを主に遊びます」

 アクションゲームは主に「ゲームらしいゲーム」として高い評価を受ける対象になりがちです。もちろんRPGやADVも立派なゲームですが、よほど好きな理由を明確に答えることができなければ、評価を受けることは難しいかもしれません。


「なるほど……(メモを取りながら)では、ここ最近遊んだゲームを教えていただけますか」
「はい。最近ではPS4でダークソウル3やアンチャーテッドの新作、後はバトルボーンとオーバーウォッチを遊んでますね」
「ほほう」

 海外の主要新作を軒並み挙げて、グローバルに高いアンテナを立てていることをアピールします。もちろんゲームの感想・分析を問われることもありますので、事前に自分の中でどこが面白かったのか整理はしておいた方がいいでしょう。

「他ではOculus、Vive、PSVR」
「PSVRってまだ出てませんよね」
「それからXbox 360の重鉄機、PSのパネキット、SSの宇宙戦艦ナデシコ、MDの魔導物語MSX沙羅曼蛇……」
「最近のゲームって言いませんでしたっけ」

「まだ100年も続いていないゲーム業界なんて、考古学的・宇宙的観点からすると閃光のようなものでしかありませんよ」
「なるほど。ところでXbox Oneのタイトルは?」
「Oneは持ってないです」

 Oneはとても素晴らしいプラットフォームですが、持ってなくても減点にはなりません。ご安心ください。

「では、最近のゲームは満遍なく遊ばれているようですね」
「はい」
「ゲーム以外についてもお伺いできればと存じますが、好きなエンターテイメントといえば何が挙げられますか?」
「はい。映画、アニメ、何でも見ますが……最近で特に注目したのはディズニーの『ズートピア』ですね。人種差別をモチーフにしたストーリーラインはもちろんのこと、エンディングに登場する歌姫ガゼルと、そのバックダンサーに上半身が隆々とした虎をチョイスしたことはすさまじいセンスと言わざるを得ません」


 注:私の個人的感想が含まれています。
 劇中に「ガゼル」と呼ばれるカリスマソングシンガーが登場するのですが、歌の完成度は当然として、シンガーにガゼルというアニマルを選出したことが素晴らしい。確かにあのアイシャドウじみた目とその流し目は、カリスマアーティストにふさわしい色気を醸し出していますよ。
 バックダンサーに虎を選んだのもなかなかのセンスです。筋骨隆々としたその骨格に、猫家特有の艶っぽさが伴う絶妙なバランス。しかもそれが四匹、細やかな矮躯のガゼルを囲んで力強く踊っている絵面。画が引き締まるとはこのことです。
 ゼェハァ。
 何の話でしたっけ。


「何かご自身で創作をなされた経験はございますか?」
「そうですね……(考える間)、色々ありますが、ひとまず今は自身でゲームを制作しています。RPGツクールRPGを作りつつ、Unityで3DでUnityちゃんでVRなアレコレを開発し、UE4ではマテリアルがSubstanceなゴニョゴニョを構成しています。Game Jamにも参加して、そのたび色々作ってますよ
「素晴らしい! それらはもうどこかに公開されているのですか?」
「はい、Unityで作ったアプリはApp Storeに登録済です。他にもSteamでインディーズデベロッパー登録して、そこでも販売中です」
「最高ですよ貴方は!」
「いえいえ、恐れ入ります」
「それでは、本日はお疲れ様でした。面接の結果は後日お伝えさせていただきます」

 

 面接は以上です。
 大体これほどの人材であれば、文句なしに一次面接を通過するのではないでしょうか。
 就活でお悩みの方は、是非参考にしていただければと思っております。
 まとめると「リラックスしてペラペラ喋れて」「ゲームをたくさん遊んでて」「他のエンタメも造詣深く」「何かしらすでに開発に挑んでいる」というだけです。簡単ですね?
 それでは大変なことも多いかと存じますが、是非本稿を参考にし、ゲーム業界へ飛び込んできてください! 業界はフレッシュな人材を求めています!


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 というわけで、ウィスキーを流し込みながら大体30分くらいで書き散らした文章でした。グヘッヘ。
 ではまた。