イトーのブログ

ここはゲーム、まんが、映画の備忘録帳でござい 自分用なので文章が自由

正月におせちを食べました

 あけましておめでとうございます、イトーです。

 皆さま、年始はどのようにお過ごしでしょうか?
 年明けといえば、それはもう大変めでたいことです。
 彩り鮮やかなおせち! 集まる親戚! 弾ける子供の笑顔!


 私は実家のネコと寝正月です。


 親戚で集まる行事もなく、ただひたすら おせちを食べるマシーンと化しておりました。伊達巻伊達巻なます黒豆カズノコ海老海老。事前に母には作りすぎるなって言ったのに。

 三が日はもうずっと三食がおせち、オヤツもおせちで夜食におせち。もうおせち以外の食べ物が恋しくて恋しくてたまりませんが、つい間食をしようとすると、母が余計なリソースは割くなとばかりに無言でおせちとすり替えてきます。

 私も大人なので快く箸を取りますが、内心は独房の壁をスプーンで掘る死刑囚です。こうなるとだんだん心も病んできて、謎のナレーションを呟きながら食を進めていくことで無聊を慰め始めます。

『海が3でおせちが7。繰り返す、海が3でおせちが7だ!』
『ダメです、押し切られます!』
『いやだーっ、母さん、母さーーーん!』

 まあこの地獄を作り出したのが他ならぬ我が母なんですが。

彼我の戦力差は確かに圧倒的ではありましたが、一方でこれまでの地道な攻撃が効果を表し、僅かではありましたが敵軍の黒豆師団の一角を崩しつつありました。見ろ、奴らは無敵じゃない。無尽蔵にも思えるが、食品である限り終焉はあるのだ! 民よ、我らが同胞よ、今こそ我らが食欲を示すときである!

 とか何とかいう脳内鬨の声と共にイトー軍の全神経が咆哮しました。押し寄せるドーパミンが栗きんとんを飲み込み、アドレナリンが海老を喰らい、エンドルフィンが煮物を駆逐していくその様はまさに戦争。表面上は無表情でおせちを食べ進めているだけですけど。

 ややして正気に戻った時、目の前には空になった重箱と、ずしりと重い腹がありました。
 そうか、私は成し遂げたのだ。
 残るは痛いほどの満腹感と仄かな達成感。見たか我が軍の底力、とばかりに母を見やると、何故か母はニッコリと笑って冷蔵庫を開きます。ああ、そんな、ウソだ。どうして!

 だから――作りすぎるなって言ったのに!

 杯を血で満たすように、瞬く間に補充されていく重箱。それを光のない目で見つめながら、母は言います。地に民が栄え、天に日輪が輝き続けるように、三が日が続く限りおせちは滅びぬ、と。

  

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 収集がつかなくなってきたので筆を置きます。
 結局、おせちは完食できないまま家を出ました。あとは実家に残る姉に託します。

 2017年もよろしくお願いいたします。