イトーのブログ

ここはゲーム、まんが、映画の備忘録帳でござい 自分用なので文章が自由

2017年ゲームオブザイトー

こんにちは、イトーです。

皆さまの2017年はよい年だったでしょうか?
よい年だったということは、以前までが悪い年だったということです。悪い年だったという方は、来年も悪い年かもしれません。

よくわからない話で煙に巻き、せっかくの年の瀬を台無しにしたあたりで、今年遊んでよかったゲームについて総レビューします。なぜゲームなのか? それは私がゲームデザイナーだからです。ご存じでした?

さあ、年を越す準備はいいか! 俺はすでに2018年! 皆が追い付いてくるのを待ってるぜ!

 (※注:この記事は2017年中に上げようとして、書いてる最中にうっかり年を越しました)

VA-11 Hall-A

2074年、発展した技術に倫理観が追い付いていない近未来。
あまりに癖のありすぎる客どもに、バーテンダーとしてカクテルを提供していくADV。

客とカウンター越しに話していって、時折注文を受けてプレイヤーがカクテルを作るってだけなんですが、文章が軽妙な割に設定が重厚で、プレイしていくと少しずつこの近未来世界の内情が見えていくのが感じられると思います。

 

というかローカライズが完璧すぎる。何者だよこれを翻訳した人は。

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客はサイボーグ傭兵、瓶詰の脳味噌、性産業用少女アンドロイドなどなどあまりに濃すぎるメンツ。客の注文や好みに合わせてカクテルを作っていく過程で、だんだんと彼らの内面も見えてきます。

 たとえば少女アンドロイドは甘いカクテルが好きないい子なんですが、人生経験の少なさから不意に唯我論(この目に見えている光景は本当に存在しているのか?という不安)に陥ったりする。

主人公自身も途中、重い個人的悩みを抱え込みます。


テーマは恐らく「日常と非日常の混じる世の中で、それでも個々の悩みを解消しようとがんばる人々」

 

(※)↓はプレイ中、ちょくちょく見返すことになるカクテルのレシピ。謎の素材を掛け合わせてビールまで作れるぞ!! 謎。

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そもそもの舞台が物価はスーパーインフレ済かつ、そこここで暴動や銃撃音がぶっぱなされてて、事件に巻き込まれた常連が来なくなることもあるような厳しいディストピアなんですが、登場人物たちはそんなことは気にせずに(あるいは「負けずに」)個人の悩みに没頭し、時に分かち合います。

このへんは政情不安のベネズエラに住む人たちが作ったゲーム、ということが関係してるんじゃねえかなと。
より正確に言うと、日本びいきのベネズエラ人たちによって作られたゲーム。ビジュアルからも感じ取れると思いますが。

時折、魔人転生ネタとか出てきます。もはや私もわかんねーよ。

 

www.youtube.com

 

あとテクノ調の曲が最高。曲がいいゲームに外れなしという私が今作った格言がありますがその通りですね。
日ごとにジュークボックスに好きな曲をプレイヤーが設定して流すという体を取っているのもイカす。私がカクテルシェーカーを振ってる時は好きな曲ばっかり流してます。

ABZU

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海外製アクアリウムの休日。

というには、あまりに世界観が思わせぶりな海洋探索ADV。

風ノ旅人」のチームが作った、というとハッとする方もいらっしゃると思うんですが、前作から受ける期待にたがわぬ思わせぶりっぷり。本当に気をもたせるなあ、あんたら!

ゲーム内容は遊泳。それに尽きる。いや、本当にそれだけなんですよ。敵もいない。

ただ漫然と遊泳体験をするわけではなく、イワシの群れに圧倒されたと思ったら、次はマナティが遊泳する穏やかな空間に導かれたり。狭くて暗い空間をようやく抜けたと思ったら、不意に広大な空間で巨大なクジラに出くわし、それが群れであることを知り、自分以上もある大きな瞳に見つめられながら、共に深海へ潜っていく……

みたいな。むやみなスケール感と、ドラマティック性があります。

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その道中には謎の古代の壁画があって、その壁画ではなぜか鮫が信仰されているようだったり。
そもそも海中で全く息継ぎなしに潜り続けられる自分は何なのか? とか、何故どの生物にも襲われないのか? 道中で出会った孤高のホオジロザメは何者なのか? 彼はなぜ機械を嫌い、破壊しようとするのか?

全ての疑問に回答が与えられるわけではありませんが、海中探索を進めるにつれ少なくない情報が得られ、やがてはとあるショッキングな出来事を経て、真実を探る遊泳は急展開を迎えます。

とにかく言えることはサメ。サメ超好き感出てる。
ホオジロサメが悪役じゃなくて孤高の暴虐王かつ、最高の相棒として描かれてる海洋作品はABZUだけでしょう。愛してる!

あとプレイ中はあまり気づかなかったんですが、周囲の空間の大小や、明暗の微妙な違いによってBGMがセンシティブに変わっているんですね。広くて明るい空間だったりよりエレガントに、狭くて流れが速い空間だったら忙しなくといった風に。細けえなー。


総評して、プレイヤーのために、リアルタイムでオーダメイドされた映画の中にいるような体験でした。「遠い海から来たCOO」とか「パンゲアの娘 KUNIE」とか好きな人でしたら間違いなくオススメのゲームです。古いか。古いし、分からんか。そうか。

 

アズールレーン

ご存じの方も多いであろう中華版艦これ

そもそも私は本家の艦これはかなりヘンテコなゲームだと思っていて、一応改二をいくらか作るくらいには遊んだうえで言いますが、戦闘はどこに上手い下手が出るのかよく分からない謎のオートバトルだし、進軍マップは分岐がランダム(にしか見えない)し、正直アレが流行ったのは神がかり的な偶然に助けられてると思います。やり込んだけど。

こちらはいわゆる横シューティングでかなり素直。分かりやすく食べ物に例えるならカレー。そうそうこういうのでいいんだよ、と空腹の男どもの期待にストレートに答えてくれる一皿。分かりやすくなってるかなこの例。

クラシックな横シューと違うのは、HP制だという点。多少の被弾は前提で、その上で魚雷や艦砲射撃といった致命的な攻撃だけ避ければいいというマイルドな内容になってます。

どうでもいいけどこの公式アセットはけっこうひどいと思う。よく分からない人は二つのスクリーンショットに注目してくれ。

 

とっつきやすい一方で、実際の内容はけっこう変で、自軍が前衛と後衛に分かれてたり、時間経過で大攻撃が出たりしますが、そのへんは気にする人だけ気にすればいい、という案配になってるので別にいいと思います。

あらためて分かりやすく食べ物で例えると、隠し味がたくさん溶け込んだカレー。どうか分かりやすくなっていてくれ。

人食いの大鷲トリコ

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トリコかわいい。以上。

 

もう今更ゲーム内容を説明はしませんが、少年とトリコの絆を育み、それを試されるという友情シチュエーションをひたすら体験し続けるゲームです。モフッ!モフモフ!!

トリコは大きな犬にワシのような羽毛を混ぜた風貌で、かつ所作はネコっぽいという、愛でてよし、戦ってよしのパーフェクト生物。
謎のヨロイの化け物と戦う状況がちょこちょこあるんですが、トリコが敵に対して巨大すぎるせいで攻撃手段が主にネコパンチというのがまた愛らしい。(ビームも出しますが)

少年が入れる小さな隙間にトリコは入れないし、トリコが飛び越せるような大きな壁は少年には超えられない。そんなデコボココンビの少年の方となって、謎の古代施設である「塔」から抜け出そうという流れ。


(※)出会ったトリコは角も羽根も折れ、ひどく痛々しい状態。確かにキミを傷つける人間もいたかもしれない、でも全員がそんな連中ばかりじゃないんだ。今はまだ人間を信じられないかもしれない!だがお前の身体、そしてココロを癒すまで、俺はどこまでも付きまとうぞ!トリコ!!そんなゲーム内容じゃ全然ないですけど。


そこからはお決まりですが、「人食いの大鷲」と呼ばれるトリコの正体とか、他に仲間はいないのかとか、どうして少年は「塔」に来たのかとかが少しずつ明かされていきます。

そして最初はぎこちなかった二人だけど段々とキヅナが育まれていき、瀕死に陥った少年をトリコが必死になって助けようとしたり、逆にトリコがピンチに陥ったり、ああ、トリコ! 嘘だ、そんな、お前は僕なんかよりずっと強いはずなのに! やめろ、トリコから離れろ! いいやもう守られているだけの僕じゃない、今度は僕がトリコを助けるんだうおおおおお!!!!!!みたいな、もう自分でも大興奮で何言ってるかよく分かりませんが。

 

ゲーム的な部分の感触を挙げます。

プレイ感は(ちょっとカメラと操作性が悪いことに目を瞑れば)ちまちました少年の矮小な動きと、トリコに捕まって十何メートルもジャンプするようなダイナミックな動きの行き来の振れ幅が非常に大きくて、すごくやりごたえがあります。

ただパズルが難しい、というか凄まじく理不尽で、そこのでっぱり足場なんかい!分かるか!!みたいな、初見だと分かりにくい要素が解法にかなり関わってきます。なので、人によっては絶対に気づかないような意識の穴が非常に多いです。俺の二時間を返して。

じゃあアンチャーテッドみたいに掴める場所をピカーッと光らせてしまえばいいかというと、それはそれでこのゲームの持つ繊細な情緒が一気に消え失せるので、苦肉の判断かとは思うんですが。

でも私のゲーム史に残る最高の体験、そしてトリコが最高のパートナーだったことに違いはないです。ラスト付近はボロボロ泣きながら必死こいてトリコのためにコントローラーを操作してました。
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以上でおしまいです。

私いちおうアクションゲームを作ってるはずなんですけど、挙がるゲームがことごとくADVなのはどういうわけなんでしょうね。いいけど。

と、そんなところで私の2017年を終えます。もう時間的には元旦すら終えようとしてるけど。ようやく今2018年が始まる!