電子書籍を3年間で3300冊買った話 (その2:恐竜大紀行)
こんにちは、イトーです。
前回の記事を公開したら、複数人から「お前の文章は長すぎる」と怒られたので、今回は一作品だけにします。歳を取ると話が長くなってごめんね。
前回を読んでいない人に解説すると、本稿は3年間で電子書籍を3300冊買ってしまった(なぜ?)男が、せめてもの慰みに感銘を受けたマンガを共有する記事です。
今回はかの鳥山明も絶賛したというジャンプマンガから。ミーハーでごめんね。
恐竜大紀行
ミーハーなので恐竜が好きです。(挨拶)
自然が産みだした史上最大の驚異、恐竜。
中生代の弱肉強食の世界を舞台に繰り広げられる、恐竜達の感動の物語を綴ったマンガです。1988年から1989年に掛けて週刊少年ジャンプに好評連載されたそうです。(なお私は1989年生まれ)
いわゆる『学研のマンガ』と思うなかれ。
このマンガの面白みは無暗にイキイキと描かれた恐竜たちそのものにあるでしょう。
この写実的な画! …………からの、
めっちゃ流暢にしゃべる。
なんだそのネーミング。どうでもいいですがこのマンガの子供は大体言うことを聞きません。
おんどれの弱点なんぞ知りつくしてるんじゃワレーッ
エサになるために生まれてきたんじゃねぇーっ!!
と少々茶化しましたが(事実こういったシーンが大部分を占めるんですが)、この作品のテーマは「栄枯盛衰」(だと勝手に断言します)。
つまり何か。時代は必ず巡り、かつて最強を欲しいままにした生物への経緯と、彼らが自身より遥かに大きな「時間」と「自然」に押し流されていく様を、傍観者として眺める虚しさです。
噴火。
これは絶滅が確約されている物語なのです。
全ての生命は飢え始める。
地震、噴火。大自然が彼らを苛み続ける。
そして。
このマンガの残酷なところは、恐竜たちが皆、感情表現豊かであるところなのだと思います。
彼らは本能にひどく忠実です。
『命ある限り喰え!』
そんな命令に従う彼らは、しかしあまりにも大きくうねる力に押し流され、全てを奪われ、それでも懸命に生を全うしようとします。
その生命の幸せも苦しさも、フィルターをかけることなく全てが人の言葉で伝わってくる。
……まあもちろん想像に寄ってるところが大部分ではあるのですが、妙に細かい描写からは作者ができる限り恐竜の「生き様」を想像し尽くした経緯が見えて、妙な愛着が沸いてきます。私のような図鑑を絵本代わりに読んだ人間には、そんな高解像度な空想がいやに心に刺さります。
ティラノサウルスにも、きっとこのようにゆっくりと流れる時間があったに違いない。
自分でもおかしいと思いますが、ぼろぼろと泣きながらこの記事を書きました。(酒が入ってたので)
かつて我々の先達として地上を闊歩した恐竜たち。それらを叙情豊かに描いた『恐竜大紀行』で、数億年前に彼らが残した足跡に想いを馳せてもらえればと思います。
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恐竜をテーマにした映画って実はあんまりありませんよね。『ジュラシック・パーク』くらいで。
ナショナルジオグラフィック配信の、白亜紀にドラゴンが実在したというトンデモ科学映画『ドラゴンズ・ワールド』が面白かったので、是非続編を撮ってほしいところです。ドラゴンとT-レックスが戦うんすよ。格好良すぎるだろ。