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イトーのブログ

ここはゲーム、まんが、映画の備忘録帳でござい 自分用なので文章が自由

ルームシェア体験記です

 

 こんにちは、イトーです。
 トップ画像は賑やかしのために入れただけで、特に意味はないです。  


 何を隠そうこのイトールームシェアをしています。 

 だいたいもう2年以上は同じ奴とルームシェアをしてるでしょうか。正直自分としては人生の汚点というか、あんまり公言したくないことなのですが、まあこれはこれで貴重な経験であろうし、一旦ログを残そうと思い筆を執りました。

 もし事情があってルームシェアを検討してる人がいたら、読んでみてください。参考になるとうれしいです。

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自転車を買いました(8万円で)

画像に含まれている可能性があるもの:自転車、屋外

 こんにちは、イトーです。

 

 このたび酔いどれた時に、

私「誰も知らない遠くに、自分の脚で行ってみたい。熱海とか」
友「世界が狭すぎる……」

 という会話をしたそうなので、これはいけないと思ってクロスバイクを買いました。

 

 購入してから1ヶ月。

 まだ200kmくらい走ったあたりですが、初めてのオモチャにはしゃいでる時期もいずれ過ぎ去ってしまうだろうということで、一度ここまでの感想をまとめたいと思います。

 

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Xbox One と日本が共に生きるお話です

こんにちは、イトーです。

 

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皆さん! Xbox One、遊んでますか?

時流に乗り、勝ち馬にもライドオンする聡明さを持つ皆さまであれば、当然Xbox Oneの1つや2つ嗜んでいらっしゃるかと存じます。

任天堂、SIE、そしてMicrosoft

この3社の中で、Microsoftが覇権を握ったのは初代Xbox がリリースされて間もない頃だったでしょうか?

 

今や、人々の生活にMicrosoft――そしてXbox はなくてはならないものとなりました。

 

「お父さん、行ってきます!」


 可愛らしい声の方へ振り返ると、この春小学生になった私の娘が玄関で元気に手を振るのが見えました。その背中には、ピカピカの赤いXbox Oneを背負っています。

「おっ、そのXbox One似合ってるじゃないか。行ってらっしゃい、転ぶんじゃないぞ」

 私が褒めると、娘はふわっと相好を崩してから外へと飛び出しました。

 

 ※

 

 Microsoft が日本の大一党になってから何年が経ったでしょう?

 日本の首都は品川へと変わりました。
 国旗は緑色となり、どこに家にもリビングには必ず一台Xbox Oneが置かれています。

 帰宅したサラリーマンは音声認識Xbox Oneを起動し、TVを見て、たまにフィットネスに励み、そしてゲームを遊びます。そんなライフサイクルが形作られてから、日本人の生活は格段に豊かになりました。

 

 近所を散歩していると、小さな公園を見つけました。そこではまだ小学校に上がらぬくらいの男児たちが、四人で一人の子供を囲んでいるのが見えました。

 

「このローカストめ! ミンチにしてやる!」

「マスターチーフのMA5アサルトライフルを喰らえ!」

「うう、やめておくれよう……」

 

 私は咄嗟に駆け出すと、いじめられている少年の前に立ちはだかりました。

 

「やめないか君たち! どうしてこんなことをしてるんだ!」

「何だよ、子供の喧嘩に大人がしゃしゃり出るんじゃねえよ」

「コイツの家、Xbox Oneがないんだぜ! 実績も1300しか持ってないしよぉ!」

 

 見れば、いじめられている少年が背負っているのは旧世代のゲームハード・Xbox 360です。経済的事情でいまだ機種の買い替えができない世帯があることは社会問題にもなっており、私も把握しています。

 しかし、だからといって!

 

「何だ、そんなことで! Xbox Oneがなかったとしても、最近はWindows 10でもXbox Play Anyware のアプリが増えてきたじゃないか!」

「ええーっ、わざわざWin10になんてアップデートしねえよなー」

「そうそう、今まで使ってたアプリが動かなくなるかもしれないし」

 

 何とまあ! せっかくMicrosoftWindows 10に無料アップデートさせてくれる温情を見せてくれたというのに! 私はWin10ユーザーですけど、使い心地いいですよ。スタートメニューあるし。

 

「えらそうに言うなら、オッサンも実績を見せてくれよ! ちなみに俺の実績は14500だぜ」

 

 私は無言でその要望を断ります。

 実績に自身がないからではありません。人として、そしてゲーマーとしての価値に、実績なんて何の関係がないと知っているからです。

「いいから見せろって!」


 飛び付いてきた子供によって、強引に私のスマートフォンが奪われました。私が止める間もなく、悪童の手によってXbox ダッシュボードのメニューが開かれます。

 そして、その手が凍り付きました。

 

「えっ、Gold 会員継続14年……?」

「つまり、Xbox が発売された直後からGold会員だっていうのか……?」

 

 私は溜息を吐きながら、その震える手からスマートフォンを摘み上げました。


「そう……確かに私はXbox 最初期からのファンだ。だけど、そんなことはどうでもいい。君たちは、Microsoft がリリースしたゲームの中で、もっとも長く、そして深く愛され続けてきたゲームが何だか知ってるかい?」

「え、そりゃあHalo とか……」

 

 無言で私は首を横に振り、スマートフォンの画面を見せました。

 そこに映っているゲームは、UWP版「Microsoft Solitaire」。

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ソリティア……!」

「そう……元は1990 年に発売されたWindows 3.0 に搭載された、プリインストールアプリ。その目的はコマンドライン入力に慣れていたPCユーザーに『マウスによるドラッグ&ドロップ操作』にした親しんでもらうためだったと言われている」


 しかしそんな意図とは裏腹に、ソリティアを初め、マインスイーパー、フリーセルなどのシンプルなゲーム性は長年人々に愛され続けました。Windows 8ではプリインストールから一時的に消えたものの、Windows 10では再び復活。

 

「そうだ……ぼくたちは実績なんかよりも大切なことを忘れていた……。大切なのはゲームを楽しむ気持ち……愛する心……」

「実績なんかなくても、ソリティアは皆に親しまれ続けてきた……」

「ああ、僕たちにもそんな時代があったはずなのに、すっかり忘れていた……。いつからだろう、純粋にゲームを楽しむことができなくなっていたのは……」

「すまない、許してくれ……お前をいじめていた俺たちを……。よければこの後、一緒に遊んでくれないか?」

 

 もう、私の言葉は必要ないでしょう。

 私は踵を返すと、そっと公園を後にします。角を曲がる際ふと後ろを振り返ると、少年たちが公園に備え付けられたモニターで、Xbox 360, Xbox One, Windows 10の3プラットフォームで無料配信中のマルチプレイ戦争アクション『Happy Wars』の画面分割プレイを仲良く遊んでいるのが見えました。

 そう、ゲームに貴賤なんてありません。それにHappy Wars は驚くことに、3プラットフォームでセーブデータが共有できるゲームです。Xbox 360しか持っていない貧しい世帯の子供でも、十分に楽しさの共有ができることでしょう。ちなみにXbox OneWindows 10版はクロスプレイに対応しており、プラットフォームの垣根を超えたマルチプレイが可能です。

 

youtu.be

 

 私はその光景を前に眩しいものを見るようにそっと目を細めてから、今度こそその場を後にしました。

 今夜は、『Ghost Recon Wildlands』を遊ぶ予定があるのです。

ロボットに乗った話です

 こんにちは、イトーです。

 

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 それは仕事がお昼休憩になった時のことでした。
 私は買ってきたハンバーガーを食べながら、オフィスの共有スペースにあるXbox 360 を起動します。何となく一世代前のゲームを遊びたい気分になったからです。
 何がいいかな。ロボものがいいかな。と選んだパッケージからディスクをハードに読み込ませている時。

 突然、モニタに繋いだイヤホンから重々しい声が響きました。

《突然の通信、失礼する。これはハードゲーマーたる諸君らに告げる、開戦の狼煙である》

 驚いて周囲を見回します。しかしちょうどお昼時なこともあって、あたりには人影が一人も見えません。
 では、この声は一体誰が?

《諸君らは突然響いたこの声に驚いていることだろう。しかし恐れることはない。諸君らは、この地球から選ばれた戦士なのだ!》

 そうか、戦士なのか!
 相変わらず何を言っているのかは分かりませんが、俄然意気が高まってきました。

《諸君らには各々の機体で戦場に出てもらう。我々人類はこの来るべき時のために、ゲームプレイ中の機体を現実化する技術を開発してきたのだ!》

「んっ?」

《敵は地球外から攻めてきた謎の機械生命体。5カウント後、諸君らの身体はゲーム画面内の機体に移り、そのまま現実の戦場へワープする。各機の武運を祈る!》


 5カウントはあっさり終了。

 さっきまで広いオフィスにいたはずなのに、気づけば周囲は狭いコックピットに覆われています。慌ててコックピットから天井のハッチを開けて、外を覗きました。
 そこには、今まで見たことのない風景が広がっていました。

 どこまでも続く平野。生い茂る若草と天地を二分する上空は、これより放たれる銃火と硝煙の気配を全く感じさせない、突き抜けるような蒼天が広がっています。

 そして更に異彩を放つのが、平野に立つ数々の巨大人型兵器たち。見覚えあるものもあれば、全く記憶にないものもありました。
 イヤホンから続々と皆の名乗りが届きます。

 

「俺は『ガングリフォン』のヤス。よろしくな!」

「僕は『アーマードコア for Answer』のトオル!」

「あっしは『ボーダーブレイク』の牛田!」

 他にも『メタルウルフカオス』『タイタンフォール』『フロントミッション』etc,etc...

 恰好いいロボたちが、それぞれ地を走り、空を飛び戦場へと発進していきます。
 その中でただ一人、私だけが取り残されていました。

 戦う気がないわけではないのです。私だってこの大地に住まう生命の一員。地球を守るために命を懸ける覚悟がないはずがありません。
 だというのに! ああ、どうしてよりにもよって、「このゲーム」を遊んでいるときに!


 耳元でノイズ。誰かからの通信でしょう。


《こちら『重装騎兵レイノス』のジロー。どうした、発進できてないようだが?》
「この2017年にどうしてレイノス……」
《うるさいな。それで、キミの機体は何なんだ? 妙にミリタリーチックというか、現実志向なフォルムだけど》

 一瞬、返答に詰まります。しかし黙秘したところで何か良いことがあるわけでもありません。私はぽつりと、

重鉄騎

 しばしの沈黙。
《がんばれよ》とどこか憐れむような響きの声の後、通信は途切れました。

 

 遠雷のような轟音が遠くから大気を伝わり、腹の底を響かせます。もう戦闘が始まっているようです。
 私もこうしてはいられません。ええと、操作は……あ、Xbox 360 コントローラーとKinect が内装に繋がってますね。操作系はそのままなのか。慣れてるからいいけど。
 私はコントローラーを握り直すと、左スティックを倒しながら高らかに叫びました。「重鉄騎」はKinect音声認識には非対応だけど気分的に。

重鉄騎、発進!」

 ……。
 …………。

 動きませんね。
 ああ、そうそう。先に起動レバーを引いて、エンジンを始動しないといけないんですよ。Kinectのモーションセンサーに認識されるよう右手を動かすと、少し前方に半透明の青い腕が浮かびました。これが実際だったらゲーム画面に映るはずの、ゲームキャラクターの腕を表しているのでしょう。まどろっこしいな。

 というわけで右腕をエンジンキーめがけて動かします。

 青い腕が持ち上がり、自爆スイッチのカバーを開けました。違うよ。


 焦ってカバーを閉じ直そうと身体を動かしますが、画面の腕はフラフラとあっちこっち行き来するだけで何かを掴もうとすらしてくれません。誤って自爆ボタンを押しそうで怖い。
 耳元で短いノイズ。誰かから通信が入りました。

《どうしたっ! 何を踊っている!》

 戦ってるんです。文句はモーションセンサーの精度に言って。

《これはっ! 戦争だぞ! 言い訳をっ! するなっ!》

 何だか定期的に声が跳ねてらっしゃる方です。
 いくつか頭の中で候補を出して、これかなと思うモノをピックアップ。

「もしかして、小ジャンプ移動されてます?」
《そうなんだよ! アーマードコア3をやってたせいでっ!》

 3までだと通常のブーストダッシュより、小刻みにホッピングした方が燃費いいですからね。開発者的には望ましくなかったようで、4から消えましたけど。
 イヤホンの向こうでガションガションと定期的に響いていたジャンプ音が静まります。どうされたのかなと思ったら、

《酔った》
「ですよね……」
《AC4系列にすればよかった……》

 あれはあれで速すぎて中の人死んでしまいそうですけど。


 それから5分ほどしてどうにか起動レバーの操作に成功。
 移動だけはコントローラーでできるのが幸いでした。低速前進しながら(高速移動するとオーバーヒートするので)砂埃立つ戦場を進んでいくと、接敵。宇宙生命体らしき敵機はこちらと同じくらいの大きさです。見たことのない機影でしたが、「Z.O.E.」のラプターに似ています。


 正面戦闘における重鉄騎のセオリーは、『装甲シャッター』――覗き窓のスリットを塞ぐことです。一番脆弱な部分ですからね。
 覗き窓を塞げば、当然視界も塞がります。この状態で行える選択は3つ。

 1つ目は上部のハッチを開けて、外を直接覗くこと。
 視界は一番確保しやすいですが、生身を晒すことになるので撃たれれば死にます。却下。

 2つ目はモニターを点けること。ただし白黒で、しかもヤケクソに小さい。却下。

 3つ目は望遠鏡のようなペリスコープを下ろすこと。レンズが割れることもありますが、これが一番マシでしょう、

 
「『重鉄騎』、接敵! これより近接戦闘へ移る!」

 気分を乗せるために再び宣言。これから行うは決死のやり取り。戦場で命を奪うのは敵の凶弾ではなく、自らの怯懦なのです。
 私は颯爽と架空の腕でペリスコープを下ろし、


 ああっ、なぜか覗き窓のカバーを外してしまった!

 ああっ、覗き窓から銃弾が飛び込んで部下が死んだ!

 ああっ、別の部下が狂乱して脱出しようとしてる! 殴って止めなきゃ!

 

 部下との髪を掴みあっての格闘を終え、ゼェハァと息を吐いていると、ノイズ混じりの通信が届きました。

《各員に通達する。状況終了、繰り返す、状況終了》

 息は切れ、殴り返された頬がじんじんと痛みます。いつの間にか眼前にいた敵機も消えており、私はこの鉄と油の散る戦場で、無事に生き残ったことを知りました。

《諸君、よく戦い抜いてくれた。敵機は全て撃破、および逃走。我々の勝利だ》
「……終わったのか、戦争が………」


  胸の中が空洞になってしまったように、虚しさが私の中を吹き抜けていくのが分かります。
 緩慢な動作で天井のハッチを開け、上半身を外へ乗り出しました。
 あちこちで煙が立ち上る戦場を眺めながら、私は何も生み出すことのない戦争の無益さに感じ入ります。
 そして狭いコックピットへと戻り…………一人、泣きました。


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 操作難度の高いゲームもいいですが、やっぱりシンプル操作の方が気楽ですねえ。

 そう思って「カスタムロボ」を久々に遊んでたら、聞こえたんですよ。またあの声が。そしてちょうど今、5カウントを数え始めたんですよ。5、4,

3、2……

正月におせちを食べました

 あけましておめでとうございます、イトーです。

 皆さま、年始はどのようにお過ごしでしょうか?
 年明けといえば、それはもう大変めでたいことです。
 彩り鮮やかなおせち! 集まる親戚! 弾ける子供の笑顔!


 私は実家のネコと寝正月です。


 親戚で集まる行事もなく、ただひたすら おせちを食べるマシーンと化しておりました。伊達巻伊達巻なます黒豆カズノコ海老海老。事前に母には作りすぎるなって言ったのに。

 三が日はもうずっと三食がおせち、オヤツもおせちで夜食におせち。もうおせち以外の食べ物が恋しくて恋しくてたまりませんが、つい間食をしようとすると、母が余計なリソースは割くなとばかりに無言でおせちとすり替えてきます。

 私も大人なので快く箸を取りますが、内心は独房の壁をスプーンで掘る死刑囚です。こうなるとだんだん心も病んできて、謎のナレーションを呟きながら食を進めていくことで無聊を慰め始めます。

『海が3でおせちが7。繰り返す、海が3でおせちが7だ!』
『ダメです、押し切られます!』
『いやだーっ、母さん、母さーーーん!』

 まあこの地獄を作り出したのが他ならぬ我が母なんですが。

彼我の戦力差は確かに圧倒的ではありましたが、一方でこれまでの地道な攻撃が効果を表し、僅かではありましたが敵軍の黒豆師団の一角を崩しつつありました。見ろ、奴らは無敵じゃない。無尽蔵にも思えるが、食品である限り終焉はあるのだ! 民よ、我らが同胞よ、今こそ我らが食欲を示すときである!

 とか何とかいう脳内鬨の声と共にイトー軍の全神経が咆哮しました。押し寄せるドーパミンが栗きんとんを飲み込み、アドレナリンが海老を喰らい、エンドルフィンが煮物を駆逐していくその様はまさに戦争。表面上は無表情でおせちを食べ進めているだけですけど。

 ややして正気に戻った時、目の前には空になった重箱と、ずしりと重い腹がありました。
 そうか、私は成し遂げたのだ。
 残るは痛いほどの満腹感と仄かな達成感。見たか我が軍の底力、とばかりに母を見やると、何故か母はニッコリと笑って冷蔵庫を開きます。ああ、そんな、ウソだ。どうして!

 だから――作りすぎるなって言ったのに!

 杯を血で満たすように、瞬く間に補充されていく重箱。それを光のない目で見つめながら、母は言います。地に民が栄え、天に日輪が輝き続けるように、三が日が続く限りおせちは滅びぬ、と。

  

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 収集がつかなくなってきたので筆を置きます。
 結局、おせちは完食できないまま家を出ました。あとは実家に残る姉に託します。

 2017年もよろしくお願いいたします。

Surface Pro 4 を買いました

 こんにちは、イトーです。
 原稿執筆前の手慣らしです。

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Surface Pro 4 を買いました

 なぜか?

 以前まで使っていたSurface Pro 3 が壊れたからです。
 突然の死でした。いつものようにブラウジングしていたら、急に暗転する画面。静まるファン。冷える臓腑。
 その瞬間の、私の内心を想像していただきたい。
「おーい、どうした……?」と様子を伺った直後に事態の深刻さを察して、電源ボタンを乱打する私。

「逝くなー! 帰ってこーーーーい!!!!」

 Surface。私のSurface Pro 3。ウソだ、どうしてこんなことに。今までともに過ごしてきた2年間の思い出が嵐のように脳裏を過ぎ去っていきます。初回起動時の「こんにちは」の画面。初めて買ったときはまだWindows 8.1だったね。Microsoft Wordが処理落ちしないことに驚いたっけ。嵐の中、君を運んで落としてしまったときに画面を割ったことは今でも夢に見る。君が新品同様で返ってきたとき誓ったんだ。今度こそ大事にするって。

 ああ、それなのに! どうして!
 畳にSurfaceを敷いて電源ボタンを何度も押す私は、さながら砂浜に倒れる恋人を心臓マッサージするかのようでした。(傍で見ていた同居人談)
 その後のことはあまり覚えてないんですが、同居人(男です)が語るにはしきりに「何もしてないのに! 何もしてないのに!!」と叫びながらジタバタしていたそうです。あとなぜか冷蔵庫からSurface Pro 3 が出てきました。よく冷えてました。たぶん熱暴走したパーツを直してあげようとしたんだと思います。しなびたミミズに水を与えて生き返らせようとする子供みたいだな……。

 そんなこんなでSurface Pro 4、占めて13万円也。
 全く予想だにしなかった出費にもうほんとグンニャリです。スペックも大して差がないし、変わったところといえば排熱効率くらいじゃないでしょうか。
 しかしこのままだと、私はただ不注意から新たに10万円をドブに捨てた悲しい道化みたいなので、後付けでもどうにかSurface Pro 4 を買ってよかった!!!!」と思えるような理由を挙げていきたいと思います。私はまだ負けていない。

 

Surface Pro 4 のここがいい!

初めに断っておくと、Pro 4 ならではの良いところはあんまり思いつきませんでした。そもそも発売してからもう1年経つし、今更差分点の記事を挙げても需要がない。

 ただWindows Hello」と名の付いた顔認証ログインシステムには非常に感動しました。
 何といっても、電源を点けた後はフリーハンドでデスクトップまで行けるのが気持ちいい。顔認証自体もすごくスムーズで、顔位置の調整も必要なくログインしてくれる精度です。『ラブプラス+』を数年ぶりに立ち上げたら顔認証の際に『あっ、イトー!……のお父さんですか?とのたまった凛子とは比較になりません。顔が似ている人間を近親者として判別するそうです。私は傷ついたよね。

 あとは先述した通り、排熱効率が段違いによくなりました。
 Surface Pro 3 はとにかくCPU付近に熱が集まりやすくて、うっかり動画エンコードでもすれば目玉焼きが焼けそうな温度になりました。しかもファンがうるさい。
 それに比べるとSurface Pro 4 は今のところ熱はほとんど溜まらず、ファンもそよ風程度です。店員さん曰く「ファンのパイプは縦横無尽に内部を走っているおかげで、効率よく冷ませるようになったんです!」とのこと。つまりサメにおける奇網みたいなものですね。
 これは本当にありがたいことで、映画に例えるならSurface Pro 3 のファンは『マッドマックス 怒りのデスロード』なんですけど、Surface Pro 4 は『いつかティファニーで朝食をくらいの優雅さ。
 Surface Pro 3 はよく熱暴走で落ちてましたけど、Pro 4 はこのことで結果的にPro 3 より長い寿命を獲得したんじゃないでしょうか。つまりPro 4 に買い替えて正解。大勝利。

▼おわりに

 Surface には購入してから45日までしか入れない保険(1万円)があるんですが、忘れないうちに入っておこうと思います。
 Pro 3 の時は1万円を惜しんで5万円の修理費を払うことになったので、今度こそ。まあ結局そのあとまた壊れたんですけど。

流しソーメンBARのお話です

 こんにちは、イトーです。

 

 先日、池袋の「流しソーメンBAR」に行ってきました。

 読んで字のごとく流しソーメンが食べられるバーです。涼しげ。
 店内には竹製のレールが縦横無尽に引かれていまして、その中を水流とソーメンが流れるという作りです。

 お値段は1時間で1500円制。めんつゆの入ったお椀片手に店内をうろつきながら、好きな時に好きなところからソーメンをつまんで食するというシステムが楽しげです。ところどころにある小椀にある薬味も自由に使っていいそうです。

 店内を見渡すと、茶屋のような長椅子がいくつか置かれているのに気づきました。ここで脚を休ませていってほしいという店主の気遣いでしょう。椅子や、点々と配置された小卓は木製で、裸木ながらしっかりした造りだと思ったら、同行した友人(ルームシェア中の男です。元陸上自衛隊員)いわく、ヒノキ製とのことでした。……この男はときどき妙な造詣を発揮します。

 和風で統一された域な店内を見渡しながらソーメンをすすっていたら、友人がぼそりとこんなことを呟きました。

「この流しソーメンの水は、店内を循環してるってことなのかね」
「……まあ、そうなんじゃない。常に新しい水を出し続けてたら水道代すごそうだし」

 ちなみに水とソーメンのスタート地点は複数設置されていて、もし誰かが排出されるソーメンを上流で全て独占したとしても、別の源流から本流へと適宜ソーメンが合流し、分け隔てなく行き渡る仕組みになっています。

 友人は流れゆくソーメンを眠そうな目で眺めながら、
「店内には俺たちを含めて8人の客がいるじゃん。で、みんなそれぞれ同じ箸をずっと使い続けているわけだけど」


 やめなよ。
 ちょうど箸で掴んだソーメンを戻すわけにもいかず、私は複雑な胸中でお椀に麺を入れました。
 すこし薄くなっためんつゆに浸ったソーメンを眺めながら、それを口に運ぶべきか迷っていると、不意にスピーカーからししおどしの音が響きました。次いで若い男のアナウンス。

『ご来店中のお客様にお知らせします。水の定期入れ換えを行ないます。作業は10分ほどで終了いたしますので、ご迷惑をおかけしますがしばしお待ちください。ご協力のほどよろしくお願いいたします。繰り返します……』

「あー」
 唸る友人。この男の感情の機微は昔からいまいち掴みづらいのですが、おそらくは感嘆のため息でしょう。
 そのまま竹製のレーンを眺めていると、次第に上流からの水(とソーメン)が減っていき、やがて完全に途絶えました。それから更に五分も待つと再び透明な水が流れ始め、元の水量へと戻った後、遅れて充分にほぐれたソーメンが流れてきました。

 おあずけを喰らっていた客の面々が箸を掲げ、沸き立ちます。

「水だ! 新鮮な水だ!」
「ソーメンもあるぞ!」
「茗荷……葱……山葵……! へへ、どれから試そうか迷っちまうな!」

 あくまで紳士的に竹のレーンへ群がると、皆が皆つるつるとソーメンを食し始めます。濃いめんつゆに浸し、首を持ち上げながら生き生きとソーメンを啜る様はさながら鵜のようです。
 私たちもこうしてはいられません。私は友人と目で示し合わせると、穏やかな足取りで流しソーメンへと向かいました。

 蛍光灯の明かりを受けてきらきらと輝く清流を、白磁のように艶やかなソーメンが滑らかに流れていきます。その一筋一筋を掴もうと、漆塗りの箸が次々と伸ばされます。
 その涼やかな光景はまるで、真夏の冷たい石清水を泳ぐ岩魚を追うかのようでした。

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というBARをルームシェアの友人に提案したところ、「冬も営業してんのそれ」と訊かれました。
 ……しゃぶしゃぶとかしてるよ。流ししゃぶしゃぶ。